【海外からの少額受取】銀行では損!ブロックチェーン国際送金で手数料を抑える方法と注意点
海外からの報酬受け取りや、家族・友人への少額の送金など、国際送金の機会がある方は多いでしょう。特に海外からの少額な報酬を頻繁に受け取る場合、気になるのが送金にかかる手数料や為替レートです。従来の銀行送金では、送金額に関わらず一定の送金手数料やコルレス銀行手数料がかかることがあり、少額を送金するほど手数料の負担が相対的に大きくなるという課題があります。
「もっと手数料を抑えたい」「着金額を最大化したい」とお考えの方にとって、ブロックチェーン技術を使った国際送金は魅力的な選択肢になり得ます。本記事では、海外からの少額送金において、なぜブロックチェーン国際送金が有利になり得るのか、その具体的な仕組みやメリット、そして利用にあたって知っておくべきデメリットや注意点について詳しく解説します。
少額国際送金で銀行送金が「損」になりがちな理由
従来の銀行送金は、その仕組み上、少額の送金には不向きな場合があります。主な理由は以下の通りです。
- 高額な固定手数料: 送金額によらず、1回あたりの送金に対して発生する基本手数料が高い傾向にあります。少額を送る場合でも、高額な手数料を支払うことになります。
- コルレス銀行手数料: 送金ルートによっては、経由する中継銀行(コルレス銀行)の手数料が差し引かれることがあります。これも送金額にかかわらず発生するため、受け取りたい金額より少なく着金することがあります。
- 不利な為替レート: 銀行が提示する為替レートには、通常、手数料(スプレッド)が含まれています。特に少額の場合、このスプレッドが無視できないコストとなります。
- 最低送金額: 一部の銀行やサービスでは、少額すぎる送金を受け付けていない場合もあります。
これらの要因により、特に数万円以下の少額を海外へ、または海外から送金・受け取る際には、手数料が送金額の大きな割合を占めてしまい、「思ったより手元に残らない」という状況が発生しやすくなります。
ブロックチェーン国際送金が少額送金で有利になる理由
ブロックチェーン技術を利用した国際送金は、この少額送金の課題に対して新たな解決策を提示します。なぜブロックチェーン送金が少額送金に有利となり得るのでしょうか。
- 手数料体系の違い: ブロックチェーン送金では、従来の銀行のような固定の送金手数料ではなく、ネットワークの利用料(ガス代やトランザクション手数料)が主なコストとなります。これは送金額に対してではなく、ネットワークの混雑状況や取引の内容(データ量)によって変動することが多いですが、多くの場合は少額送金であっても比較的低コストで済む傾向があります(ただし、チェーンの種類によります)。また、サービス提供者が徴収する手数料も、従来の送金サービスより低いことが一般的です。
- 中継機関の削減: ブロックチェーンはP2P(ピアツーピア)の分散型ネットワークを利用するため、複数の銀行を経由する必要がありません。これにより、コルレス銀行手数料のような中間コストを削減できます。
- スピーディーな送金: 銀行の営業時間や休日に左右されず、24時間365日いつでも送金処理が可能です。ブロックチェーンネットワークにもよりますが、多くの場合、数分から数十分で送金が完了し、時間的なロスが少なくなります。
具体的なコスト比較(イメージ)
| 項目 | 銀行送金(例) | ブロックチェーン送金(例) | 少額送金における有利さ | | :----------- | :------------------------------------------- | :------------------------------------------------------- | :----------------------- | | 送金手数料 | 2,000円~5,000円程度の固定料金 + コルレス手数料 | 数十円~数百円程度のネットワーク手数料 + サービス手数料(変動) | ブロックチェーンが有利 | | 為替レート | 銀行独自レート(スプレッド含む) | 市場レートに近い(取引所やサービスによる) | ブロックチェーンが有利な場合あり | | 送金速度 | 数営業日~1週間程度 | 数分~数時間(ネットワークによる) | ブロックチェーンが有利 |
※上記は一般的な傾向であり、利用するサービスや送金先の国、送金額、ネットワークの状況によって大きく異なります。特に、ブロックチェーン送金におけるネットワーク手数料(ガス代)は、ネットワークの混雑度によって大きく変動する可能性がある点に注意が必要です。
少額送金でブロックチェーン国際送金を利用する際の注意点
少額送金において手数料や速度のメリットがあるブロックチェーン国際送金ですが、利用にあたってはいくつかの注意点があります。
- 価格変動リスク: 暗号資産を使って送金する場合、送金処理中や受け取り後に暗号資産の価格が大きく変動する可能性があります。これにより、送金時と受け取り時の価値が異なり、想定よりも受け取り額が減ってしまうリスクがあります。このリスクを避けるために、米ドルなどの法定通貨と価値が連動する「ステーブルコイン」を利用するという方法があります。
- ネットワーク手数料(ガス代)の変動: ブロックチェーンの種類やネットワークの混雑状況によって、送金にかかるネットワーク手数料(ガス代など)が大きく変動することがあります。特にイーサリアムなどのネットワークが混雑している時期には、少額の送金でも手数料が高額になる可能性があり、少額送金のメリットが薄れることがあります。利用するネットワークの手数料傾向を確認することが重要です。
- 送金先の対応状況: 送金相手がブロックチェーン送金を受け取るためのウォレットや取引所アカウントを持っている必要があります。また、受け取った暗号資産をすぐに現金化できる環境が整っているかどうかも確認が必要です。
- 誤送金リスク: ブロックチェーン送金は一度実行されると取り消しが非常に困難です。送金先のアドレスを間違えた場合、資金を取り戻すことはほぼ不可能です。少額であっても、送金アドレスの確認は厳重に行う必要があります。
- 取引所の利用と手数料: 日本円を暗号資産に交換し、送金後また日本円に戻す場合、暗号資産取引所や交換所を利用することになります。この際の取引手数料や入出金手数料もトータルのコストに影響します。
少額国際送金でブロックチェーンを賢く活用するためのヒント
これらの注意点を踏まえ、少額国際送金でブロックチェーンを賢く活用するためのヒントをいくつかご紹介します。
- ステーブルコインの活用: 価格変動リスクを抑えるためには、米ドルなどの法定通貨にペッグされたステーブルコイン(USDT, USDCなど)を利用するのが有効です。これにより、送金中の価値の変動を最小限に抑えることができます。
- ネットワークの選択: 送金手数料が低い、あるいは固定されているブロックチェーンネットワーク(例:リップル(XRP)や特定のステーブルコイン発行プロトコルなど)を選択することも検討しましょう。送金額が少額であれば、手数料の差が全体コストに大きく影響します。
- サービス提供者の比較: ブロックチェーン送金をサポートする様々なサービス(暗号資産取引所、専門の送金プラットフォームなど)があります。サービスごとに手数料体系(ネットワーク手数料以外にかかる手数料)や使いやすさ、サポート体制などが異なります。複数のサービスを比較検討し、ご自身の送金ニーズに合ったサービスを選びましょう。
- 手数料が安い時間帯を狙う: 一部のブロックチェーンネットワークでは、ネットワーク手数料が時間帯によって変動します。ネットワークの混雑が少ない時間帯を狙って送金することで、手数料を抑えられる可能性があります。
まとめ
海外からの少額な報酬受け取りや送金において、従来の銀行送金では手数料負担が大きくなりがちですが、ブロックチェーン国際送金は、その手数料体系や仕組みから、少額送金において大きなコストメリットをもたらす可能性があります。特に固定手数料が低く、中間手数料がかからない点は、少額を送る際に有利に働きます。
しかし、暗号資産の価格変動リスク、ネットワーク手数料の変動、送金先の対応状況、そして誤送金の不可逆性といった注意点も存在します。これらのリスクを理解し、ステーブルコインの利用、手数料が低いネットワークやサービスの選択、そして送金アドレスの厳重な確認といった対策を講じることで、ブロックチェーン国際送金のメリットを最大限に活かすことができるでしょう。
ご自身の送金ニーズや頻度、送金相手の環境などを考慮し、ブロックチェーン国際送金が少額送金の課題解決につながるかどうかを検討してみてください。正確な最新情報は、ご利用を検討されている各サービス提供者の公式サイトなどで必ずご確認ください。