【初心者向け】日本円から始めるブロックチェーン国際送金：両替から送金までの全ステップ
日本円から始めるブロックチェーン国際送金：両替から送金までの全ステップ
海外とのやり取りが多い方にとって、国際送金の手数料や時間、為替レートは常に気になる課題ではないでしょうか。特に日本円から海外へ送金する場合、銀行を介した従来の方法では、想像以上のコストや手間がかかることがあります。
そんな課題を解決する可能性を秘めているのが、ブロックチェーン技術を活用した国際送金です。「興味はあるけれど、日本円をどうやって送金に使うのか分からない」「そもそも暗号資産への両替が必要なの？」といった疑問や不安をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
この記事では、日本円をお持ちの方がブロックチェーン国際送金を始めるために必要なステップを、具体的な手続きに沿って分かりやすく解説します。暗号資産への両替方法や、送金時の注意点などもご紹介しますので、ぜひ参考にしていただき、国際送金の選択肢を広げてみてください。
ステップ1：ブロックチェーン国際送金のための準備を始める
日本円からブロックチェーン国際送金を行うための最初のステップは、送金に利用するサービスを選び、必要な準備を整えることです。
信頼できるサービスを選ぶ
ブロックチェーン国際送金サービスはいくつか存在しますが、サービスの信頼性、手数料体系、取り扱い通貨、日本語サポートの有無などを考慮して選びましょう。多くの場合、こうしたサービスは暗号資産交換業として国の規制を受けていますので、公式ウェブサイトなどで登録業者であることを確認することも重要です。
アカウント開設と本人確認（KYC）
利用するサービスが決まったら、まずはアカウントを開設します。その際、多くの場合で本人確認（KYC: Know Your Customer）が求められます。これは、不正利用やマネーロンダリングを防ぐために法律で義務付けられている手続きです。
本人確認では、氏名、住所、生年月日などの個人情報の登録に加え、運転免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類の提出が必要です。手続きには時間がかかる場合がありますので、余裕を持って行いましょう。
ウォレットについて理解する
ブロックチェーン送金では、暗号資産の保管や送受信に「ウォレット」を使用します。利用するサービスによっては、サービス内でウォレット機能が提供されている場合もありますし、ご自身で別途ウォレットを用意する必要がある場合もあります。
初心者の方は、まずはサービス提供会社のウォレット機能を利用するのが手軽です。ウォレットの種類や選び方については、当サイトの別の記事でも詳しく解説していますので、そちらも参考にしてください。
ステップ2：日本円を入金し、送金に使う暗号資産に両替する
アカウント開設と本人確認が完了したら、いよいよ日本円をサービスに入金し、送金に使う暗号資産に両替します。
日本円をサービスに入金する
利用するサービスによって、日本円の入金方法は異なります。一般的なのは、指定された銀行口座への振込です。銀行振込の場合、振込手数料がかかる場合がありますので確認しましょう。一部サービスでは、インターネットバンキングを使ったクイック入金や、コンビニ入金などが可能な場合もあります。ご自身にとって便利な方法を選んでください。
どの暗号資産に両替するか？
入金した日本円を、国際送金に利用する暗号資産に両替します。ここで重要になるのが、どの暗号資産を選ぶかです。国際送金においては、価格変動リスクが比較的少なく、送金速度が速い暗号資産が適しています。
特に注目されているのが「ステーブルコイン」です。ステーブルコインは、米ドルなど特定の法定通貨と価格が連動するように設計されており、暗号資産特有の大きな価格変動リスクを抑えることができます。国際送金によく使われるステーブルコインには、USDT（テザー）やUSDC（USDコイン）などがあります。送金したい通貨に対応したステーブルコインを選ぶのが一般的です。
暗号資産への両替手順
日本円を暗号資産に両替する手続きは、利用するサービスの取引画面で行います。「販売所」や「取引所」といった機能を使って、保有する日本円と、希望する暗号資産を交換します。
例えば、米ドルにペッグされたステーブルコイン（USDCなど）に両替する場合、画面上で「日本円でUSDCを購入する」といった操作を行います。この際、「スプレッド」と呼ばれる売値と買値の差や、取引手数料が発生する場合がありますので、画面表示をよく確認しましょう。両替レートは常に変動していますので、希望するレートに近いタイミングで行うのが理想的です。
ステップ3：両替した暗号資産を送金する
暗号資産への両替が完了したら、いよいよ送金です。
送金先の情報を確認する
送金を行うには、送金先の暗号資産ウォレットアドレスが必要です。送金相手から正確なウォレットアドレスを教えてもらいましょう。ウォレットアドレスは非常に長く、アルファベットと数字の羅列で構成されています。入力ミスがあると、資金が失われてしまうリスクがあるため、コピー＆ペーストを使う、複数回確認するなど、慎重に取り扱ってください。
また、送金する暗号資産が利用している「ネットワーク」も重要です。例えば、USDTやUSDCは複数のブロックチェーンネットワーク（例: Ethereum、TRON、Polygonなど）上で発行されています。送金元と送金先で同じネットワークを使用しないと、送金が失敗したり、最悪の場合資金を失ったりする可能性があります。必ず送金相手に、使用しているネットワークを確認しましょう。
送金操作を行う
利用しているサービスの送金画面で、送金する暗号資産の種類、送金先ウォレットアドレス、送金数量、そしてネットワーク情報を入力します。最後に、内容をよく確認し、送金を実行します。
手数料（ガス代など）について
ブロックチェーン上で取引（送金も含む）を行う際には、「ガス代」と呼ばれるネットワーク手数料が発生します。ガス代は、利用するブロックチェーンネットワークの種類や、ネットワークの混雑状況によって変動します。送金時にサービス側で自動的に計算・表示されることがほとんどですが、事前に手数料の目安を確認しておくと良いでしょう。
送金時の最終確認と注意点
送金ボタンを押す前に、入力した情報（送金先アドレス、数量、ネットワーク）が正しいか、指差し確認するなど、念入りに最終確認を行ってください。特にウォレットアドレスとネットワークは、一度送金を実行すると取り消しができません（不可逆性）。誤った情報で送金してしまうと、送金した資金を取り戻すことは極めて困難です。
送金後の確認
送金が完了すると、多くの場合、サービスの取引履歴画面などで送金ステータスを確認できます。また、ブロックチェーンエクスプローラーと呼ばれるツールを使って、送金トランザクションがブロックチェーン上に記録され、正しく処理されているかを確認することも可能です。送金相手にも、資金が到着したか確認してもらいましょう。
まとめ：日本円からのブロックチェーン国際送金は手順を踏めば難しくない
日本円からブロックチェーンを利用した国際送金は、従来の銀行送金とは異なる手順が必要ですが、一つ一つのステップを理解すれば、決して難しいものではありません。
- 信頼できるサービスを選び、アカウント開設と本人確認を完了する。
- 日本円をサービスに入金し、国際送金に適した暗号資産（特にステーブルコイン）に両替する。
- 送金先ウォレットアドレスとネットワーク情報を正確に入手し、慎重に送金操作を行う。
これらのステップを踏むことで、手数料を抑え、迅速な国際送金が可能になります。ただし、暗号資産の価格変動リスク（特にステーブルコイン以外の場合）、ネットワーク手数料の変動、そして操作ミスによる送金リスクなどは常に存在します。
この記事でご紹介した手順や注意点を参考に、ご自身の国際送金ニーズに合った方法として、ブロックチェーン送金を検討してみてはいかがでしょうか。最初の一歩を踏み出すことで、国際送金の新しい可能性が開けるかもしれません。