【失敗しない国際送金】銀行、Wise、ブロックチェーン送金のコスト・速度・リスクを徹底比較
国際送金、どの方法を選ぶべき?銀行、Wise、ブロックチェーン送金を徹底比較
海外とのやり取りが多い方にとって、国際送金は避けて通れない課題です。特にフリーランスとして海外からの報酬を受け取ったり、海外へ支払いを行う際には、手数料や為替レートによって思わぬコストがかかることに悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
国際送金の方法には、昔ながらの銀行送金、近年利用者が増えているWise(旧TransferWise)のようなオンライン送金サービス、そして最先端技術であるブロックチェーンを活用した送金など、様々な選択肢があります。
それぞれの方法にはメリットとデメリットがあり、ご自身の目的や状況によって最適な方法は異なります。「結局、どれが一番お得で速くて安心なの?」そうお考えの方のために、この記事では主要な国際送金方法である「銀行送金」「Wiseなどの主要フィンテック送金サービス」「ブロックチェーン送金」の3つを、コスト(手数料・為替レート)、速度、手続きの簡便さ、そしてリスクの観点から徹底的に比較解説します。
この記事を読めば、ご自身の国際送金に最適な方法を見つけるためのヒントが得られるはずです。
1. 伝統的な方法:銀行送金
長年にわたり国際送金の主流であった銀行送金。その仕組みやメリット・デメリットを見ていきましょう。
銀行送金の仕組み
銀行送金では、主に「SWIFT(Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication)」という国際銀行間通信協会が提供するネットワークを通じて送金が行われます。送金元銀行から送金先銀行へ、複数の仲介銀行を経由しながら資金移動の指示が伝えられ、最終的に受取人に届くという流れです。
銀行送金のメリット
- 高い信頼性と安心感: 長年の実績があり、多くの人が慣れ親しんだ方法です。窓口での相談も可能です。
- 世界的なネットワーク: SWIFTネットワークにより、世界中の多くの国・地域へ送金が可能です。
- 高額送金への対応: 比較的高額な送金にも対応している場合が多いです。
銀行送金のデメリット
- 手数料が高い: 送金手数料に加え、コルレス銀行手数料(中継銀行の手数料)、受取手数料などがかかり、全体としてコストが高くなる傾向があります。
- 為替レートにコストが含まれる: 多くの銀行では、市場レートに上乗せした独自の為替レートを使用しており、これが実質的なコストとなります。
- 送金に時間がかかる: 仲介銀行を経由するため、送金完了までに数日から1週間程度かかることが一般的です。
- 手続きが煩雑な場合がある: 窓口での手続きが必要であったり、オンラインでも入力項目が多かったりすることがあります。
2. 低コストと透明性が魅力:主要フィンテック送金サービス(例: Wise)
近年、個人や中小企業の国際送金手段として人気が高まっているのが、Wise(旧TransferWise)やRevolutなどのオンライン送金サービスです。
フィンテック送金サービスの仕組み(Wiseを例に)
Wiseなどのサービスは、「P2P(Peer-to-Peer)」や「ローカル送金」の仕組みを活用しています。例えば、日本からアメリカへ送金する場合、日本のWise口座に円を振り込むと、Wiseは同時にアメリカのWise口座から受取人の米ドル口座へ送金します。資金が国境を直接越えるのではなく、各国内の資金を相殺するイメージです。これにより、SWIFTのような複雑な仲介ネットワークを避け、コストと時間を削減しています。
フィンテック送金サービスのメリット
- 手数料が比較的安い: 銀行送金と比較して手数料が明確で安価なことが多いです。
- 為替レートの透明性: 多くの場合、リアルタイムの市場レート(ミッドマーケットレート)に近いレートを採用し、為替コストが抑えられます。
- 送金速度が速い: 多くの送金が当日または数営業日で完了します。
- オンラインで完結: アカウント作成から送金手続きまで、すべてオンラインやスマホアプリで行えます。
フィンテック送金サービスのデメリット
- 対応通貨や国が限定される場合がある: 銀行ほど網羅的ではない場合があります。
- 送金額に上限がある場合がある: サービスやアカウントの種類によって、1回あたりの送金額や月間の送金額に上限が設けられていることがあります。
- トラブル時の対応: 銀行のような窓口対応はなく、サポートはオンラインや電話が中心となります。
3. 未来の送金手段?:ブロックチェーン送金
ビットコインをはじめとする暗号資産と、その基盤技術であるブロックチェーンを活用した国際送金も注目されています。「ブロックチェーン送金Lab」の名の通り、この方法について詳しく見ていきましょう。
ブロックチェーン送金の仕組み
ブロックチェーン送金では、法定通貨を直接送るのではなく、一度暗号資産に交換し、その暗号資産をブロックチェーンネットワークを通じて送金先へ送ります。送金先の受取人は、受け取った暗号資産を再び法定通貨に交換することで、国際送金が完了します。このプロセスは、仲介銀行を必要とせず、分散型のネットワーク上で行われます。
近年では、価格変動リスクの低いステーブルコイン(米ドルなどの法定通貨に価値が紐づけられた暗号資産)を利用した送金や、リップル(XRP)のように国際送金に特化したブロックチェーンネットワークを使った送金サービスなども登場しています。
ブロックチェーン送金のメリット
- 手数料が非常に安い可能性がある: 仲介銀行を経由しないため、従来の送金システムに比べて手数料(特にネットワーク手数料である「ガス代」)を抑えられる可能性があります。ただし、取引所やサービスの手数料、換金手数料などは別途かかります。
- 送金速度が速い可能性がある: ブロックチェーンネットワークの承認時間にもよりますが、数分から数十分で送金が完了する場合もあります。銀行のように営業時間に縛られません。
- 24時間365日いつでも送金可能: ネットワークが稼働していれば、曜日や時間を問わず送金できます。
ブロックチェーン送金のデメリット
- 価格変動リスク: ビットコインなどの価格変動が大きい暗号資産を利用する場合、送金中に暗号資産の価値が変動し、受け取り金額が変わってしまうリスクがあります。ステーブルコインを利用することでこのリスクは軽減できます。
- 操作ミスによるリスク: 送金アドレスを間違えると、資金が失われる可能性があります。一度送金すると取り消しが非常に困難です。
- 技術的な理解が必要: アカウント(ウォレット)管理や暗号資産の知識がある程度必要になります。
- 規制や法的な不確実性: 国や地域によって暗号資産に関する規制が異なり、今後変更される可能性もあります。
- 換金・受取の手間と手数料: 受け取った暗号資産を法定通貨に換金する手続きや、それに伴う手数料がかかります。
4. コスト・速度・リスクを比較:あなたに最適な方法は?
ここまで、3つの国際送金方法の概要を見てきました。ここでは、それぞれの方法を具体的な比較項目で整理し、どのような方にどの方法が向いているかを考察します。
| 比較項目 | 銀行送金 | 主要フィンテック送金サービス(例: Wise) | ブロックチェーン送金 |
| :------------------- | :------------------------------- | :--------------------------------------- | :----------------------------------------- |
| 手数料・為替コスト | 高い(手数料+為替レート上乗せ) | 比較的安い(手数料+低為替コスト) | 安い可能性がある(ネットワーク手数料)
+取引所/サービス手数料+換金手数料
+価格変動リスク(変動資産利用時) |
| 送金速度 | 数日~1週間程度 | 当日~数営業日 | 数分~数十分(ネットワーク状況による)
+換金時間 |
| 手続きの簡便さ | やや煩雑な場合あり | オンライン/アプリで簡単 | アカウント/ウォレット準備、暗号資産知識が必要
誤送金リスクに注意 |
| 安全性・信頼性 | 高い(長年の実績、国の認可) | 高い(厳格な本人確認、当局への登録) | 技術的な安全性は高い(ブロックチェーン)
+サービス/ウォレットのセキュリティ
+操作ミス・詐欺リスク |
| 対応範囲 | 世界中の多くの国・通貨 | 比較的幅広いが銀行ほど網羅的ではない | 暗号資産が取引される国・地域
サービスによる |
| 向いている人 | 安心感を重視する人、高額送金が多い人 | 手数料を抑えたい人、オンラインで手軽に送金したい人、
複数の国・地域へ送金する人 | 手数料・速度を極力抑えたい人、
暗号資産や技術に理解のある人、
為替変動リスクを許容できる/回避手段を知っている人 |
フリーランス翻訳家(佐藤花子氏ペルソナ)にとっての視点
海外クライアントからの報酬受け取りや、海外サービスへの支払いが多いフリーランス翻訳家の方にとって、最も重視すべき点は「手数料と為替レートによるロスの最小化」と「手続きの簡便さ」ではないでしょうか。
- 銀行送金: 慣れ親しんだ方法ですが、手数料や為替レートのコストが負担になることが多いでしょう。定期的な少額送金には不向きかもしれません。
- 主要フィンテック送金サービス(Wiseなど): 手数料が比較的安く、為替レートも透明性が高いため、コスト削減には有効な選択肢です。オンラインで手軽に手続きできる点も魅力です。多くのフリーランスにとって、現実的でバランスの取れた方法と言えます。
- ブロックチェーン送金: 最も手数料を抑え、高速な送金を実現できる可能性があります。特に送金額に対する手数料の比率を低くしたい場合に魅力的です。ただし、暗号資産の価格変動リスク(ステーブルコイン利用で軽減可能)や、ウォレット管理・操作ミスへの注意が必要です。まだ手続きに慣れが必要な側面もあります。
5. 結論:最適な方法はあなたの状況次第
銀行送金、Wiseなどのフィンテック送金サービス、ブロックチェーン送金、それぞれに一長一短があり、どれが「絶対的に一番優れている」ということはありません。
- 「安心感」や「高額送金」を最優先するなら銀行送金も選択肢に入りますが、コストは覚悟が必要です。
- 「コスト削減」と「手軽さ」を両立したいなら、Wiseなどのフィンテック送金サービスが有力な候補となるでしょう。
- 「究極的なコスト削減」や「送金速度」を追求し、技術的な理解やリスク管理ができるなら、ブロックチェーン送金を検討する価値は十分にあります。
特にブロックチェーン送金は、手数料や速度の面で大きな可能性を秘めていますが、まだ発展途上の側面もあり、利用には一定のリスクや知識が必要です。ご自身の利用目的、送金額、送金頻度、リスク許容度、技術への慣れなどを総合的に考慮し、それぞれの方法を比較検討することが重要です。
まずは少額から試してみる、複数のサービスを比較検討するなどして、ご自身にとって最も効率的で安心して使える国際送金の方法を見つけてください。当サイト「ブロックチェーン送金Lab」では、ブロックチェーン送金に関するさらに詳しい情報やリスク対策などを解説していますので、ぜひ他の記事も参考にしていただければ幸いです。