ブロックチェーン国際送金で手数料を最大限抑える!「ガス代」の仕組みと賢い節約法
ブロックチェーン国際送金で手数料を最大限抑える!「ガス代」の仕組みと賢い節約法
国際送金は、海外とのやり取りが多い方にとって避けて通れないものですが、頭を悩ませるのがその手数料や為替レートによるコストです。特にフリーランスで海外からの報酬を受け取る機会がある場合、このコストは利益に直接影響するため、少しでも抑えたいとお考えの方も多いのではないでしょうか。
ブロックチェーン技術を活用した国際送金は、「銀行送金に比べて手数料が安い」と言われることが多いです。しかし、ブロックチェーンを使った送金には、銀行送金の手数料とは少し異なるコストの概念が存在します。それが「ガス代」と呼ばれるものです。
この記事では、ブロックチェーン国際送金における「ガス代」とは一体何なのか、なぜこのコストが発生するのか、そしてどのようにすればこのガス代を安く抑え、国際送金のコストを最大限に節約できるのかについて、分かりやすく解説します。
ブロックチェーン国際送金における「ガス代」とは?なぜかかるのか?
ブロックチェーンを使った国際送金は、銀行のように特定の管理者が存在するわけではなく、世界中に分散されたコンピューター(ノード)がお互いに協力して取引を処理・記録しています。この取引の処理には、コンピューターの計算資源や電力が必要になります。
「ガス代」とは、簡単に言うと、ブロックチェーン上で取引を処理してもらうために、その処理を行うコンピューターの提供者(マイナーやバリデーターと呼ばれます)に支払う報酬のようなものです。銀行でいう振込手数料とは少し性質が異なります。これはブロックチェーンネットワークを維持・運用するための「ネットワーク利用料」や「処理コスト」と捉えることができます。
特に、スマートコントラクトという自動実行プログラムを利用するブロックチェーン(代表的なのがイーサリアム)で取引を行う際には、このガス代の概念が重要になります。取引の内容が複雑であればあるほど、必要な計算資源が増え、ガス代は高くなる傾向があります。
ガス代はどのように決まる?変動する仕組み
ガス代は常に一定ではなく、変動します。その主な要因は以下の通りです。
- ネットワークの混雑度: ブロックチェーンネットワークも、利用者が増えて取引が集中すると混雑します。例えるなら、高速道路の渋滞のようなものです。多くの人が同時に取引しようとすると、処理能力には限りがあるため、早く処理してもらいたい人はより高いガス代を支払う傾向があり、結果的に全体のガス代が高騰します。
- 取引の複雑さ: 行う取引の内容がシンプルか複雑かによって、必要な計算量が異なります。複雑な取引ほど多くの計算資源が必要になり、ガス代も高くなります。
- ブロックチェーンネットワークの種類: ブロックチェーンの種類(ビットコイン、イーサリアム、リップル、ステラなど)によって、ガス代の仕組みや水準は大きく異なります。それぞれのネットワークの設計思想や処理能力によって、必要なコストが変わってくるのです。
ガス代を安く抑えるための賢い方法
ブロックチェーン国際送金を利用する際に、この変動するガス代を理解し、賢く対応することで、送金コストを抑えることができます。
1. ガス代が低い、あるいは仕組みが異なるブロックチェーンを選ぶ
国際送金に使える暗号資産は様々ですが、使用されているブロックチェーンネットワークによってガス代の水準が大きく異なります。
- イーサリアム (ETH) など: スマートコントラクトが豊富で多機能ですが、利用者が多いためネットワークが混雑しやすく、ガス代が高騰する傾向があります。
- ビットコイン (BTC) など: 取引量が増えると手数料(ビットコインの場合はガス代とは呼ばず、一般的に「送金手数料」や「マイナーフィー」と呼ばれますが、性質は似ています)が高くなる傾向があります。
- リップル (XRP) やステラ (XLM) など: これらのネットワークは、送金処理に特化している側面があり、比較的低コストで高速な取引が可能です。必要な手数料(ガス代とは異なる概念ですが)も非常に低い水準で安定していることが多いです。
もし送金の目的が単に資金を移動させることであれば、リップル(XRP)やステラ(XLM)など、送金に特化した低コストのネットワークで利用される暗号資産を選ぶことが、ガス代(あるいはそれに類する手数料)を抑える上で非常に有効な選択肢となります。
2. 送金タイミングを見極める(直接暗号資産を送金する場合)
自分で暗号資産ウォレットを使って直接送金する場合、ネットワークの混雑していない時間帯を選ぶことでガス代を抑えられる可能性があります。一般的に、利用者が多い時間帯(例: 世界的に取引が活発な時間帯)はガス代が高くなる傾向があります。ただし、多くのブロックチェーン送金サービスを利用する場合、サービス側が最適なタイミングで処理を行うため、ユーザーが直接ガス代やタイミングを意識する必要がないこともあります。利用するサービスがこの点をどのように扱っているか確認すると良いでしょう。
3. ガス代の最適化を行うサービスを選ぶ
ブロックチェーン国際送金サービスの中には、複数のブロックチェーンや提携ネットワークを使い分けたり、取引をまとめて処理したりすることで、ユーザーにかかるガス代の負担を軽減する工夫を行っているところがあります。サービスを選ぶ際には、単に表示されている手数料だけでなく、裏側で発生するガス代や、それがどのようにユーザーに影響するかを確認することも重要です。信頼できるサービスは、これらのコスト構造を明確に示しているはずです。
4. 少額送金の場合は回数を減らすことを検討する
頻繁に少額の送金を行うよりも、まとめてある程度の金額を送金する方が、トータルのガス代(または手数料)を抑えられる場合があります。これは、取引1回ごとにガス代が発生する仕組みになっているためです。ただし、これも利用するネットワークやサービスによって最適な方法が異なるため、ご自身の送金頻度や金額に応じて検討が必要です。
ガス代以外に注意すべきコスト
ブロックチェーン国際送金に関わるコストはガス代だけではありません。
- サービス利用手数料: ブロックチェーン送金サービス自体が設定している手数料です。これはサービスの運営コストや利益に関わる部分です。
- 為替手数料/スプレッド: 暗号資産を日本円に換えたり、別の暗号資産に交換したりする際に発生する手数料や、購入価格と売却価格の差額(スプレッド)です。海外からの報酬を暗号資産で受け取り、日本円に換金する場合に特に重要になります。このコストもサービスによって大きく異なるため、事前に確認が必要です。
まとめ:ガス代を理解し、賢く国際送金を利用しましょう
ブロックチェーン国際送金は、銀行送金に比べて手数料や処理速度の面で大きなメリットをもたらす可能性があります。しかし、その仕組みを理解しないまま利用すると、「手数料が安いと聞いていたのに、思ったよりコストがかかった」と感じることもあります。
特に「ガス代」は、ブロックチェーンネットワークを維持・運用するための重要なコストであり、その水準は様々な要因で変動します。国際送金のコストを最大限に抑えるためには、送金に使う暗号資産やブロックチェーンネットワークの種類、そして利用するサービスの仕組みを理解することが鍵となります。
ご自身の国際送金の目的(送金頻度、金額、送金先、受け取り方法など)を明確にし、それに合った、ガス代を含む総コストが最も抑えられる方法やサービスを選ぶようにしましょう。
ブロックチェーン国際送金はまだ発展途上の技術ですが、その仕組みを正しく理解し、情報収集を続けることで、海外との経済的なやり取りをより効率的で負担の少ないものにできるはずです。「ブロックチェーン送金Lab」では、今後もブロックチェーン国際送金に関する様々な情報を提供していきますので、ぜひ参考にしてください。