【初心者向け】ブロックチェーン国際送金の始め方・手順ガイド
はじめに
国際送金を利用する際、「手続きが複雑」「何から始めればいいか分からない」と感じることはありませんか?特にブロックチェーン技術を使った新しい送金方法と聞くと、さらに難しそうだと敬遠してしまうかもしれません。
しかし、実はブロックチェーンを使った国際送金サービスの手続きは、ポイントを押さえれば初心者の方でも十分に利用可能です。従来の銀行送金とは異なる部分もありますが、その仕組みを理解し、正しい手順を踏めば、より迅速かつ低コストな送金を実現できる可能性があります。
この記事では、ブロックチェーン国際送金に興味はあるけれど、どう始めれば良いか分からないという方に向けて、サービスの選び方から実際の送金・受取までのステップを分かりやすく解説します。
ブロックチェーン国際送金の手続きは難しくない?
結論から言うと、ブロックチェーン技術そのものの複雑な仕組みを理解する必要はありません。多くのブロックチェーン国際送金サービスは、利用者が直感的に操作できるよう、インターフェースを工夫しています。
基本的には、
- サービスを選ぶ
- アカウントを開設する
- 日本円を入金する
- 送金情報(送金先、金額など)を入力する
- 送金を実行する
という流れになります。このステップは、オンラインバンキングを使った送金や、他のフィンテックサービスでの送金と大きくは変わりません。
ただし、ブロックチェーン特有の概念(ウォレット、アドレスなど)や、注意すべき点もありますので、以下で詳しく見ていきましょう。
ブロックチェーン国際送金の基本的なステップ
ブロックチェーン国際送金を利用する際の一般的なステップは以下の通りです。サービスによって多少異なりますが、大まかな流れは同じです。
ステップ1:利用するサービスを選ぶ
まずは、数あるブロックチェーン国際送金サービスの中から、自分に合ったものを選びます。サービス選定時には以下の点を考慮しましょう。
- 対応通貨・国: どの国の通貨で、どの国へ送金したいかを確認します。対応している仮想通貨や法定通貨の種類も重要です。
- 手数料: 送金手数料、為替手数料(両替が必要な場合)などを比較します。サービスによっては手数料体系が異なります。
- 送金速度: ブロックチェーンの種類やサービスによって送金完了までの時間は異なります。
- 信頼性と安全性: 運営会社の信頼性、セキュリティ対策、これまでの実績などを確認します。日本の規制に対応しているかも重要な判断材料です。
- 操作性・サポート: ウェブサイトやアプリの使いやすさ、日本語サポートの有無なども考慮しましょう。
- 最低・最高送金額: 一度に送金できる金額に制限がある場合があります。
ステップ2:アカウント(ウォレット)を開設・登録する
利用したいサービスを決めたら、アカウントを開設します。多くのサービスでは、本人確認手続きが必要です。
- メールアドレスや電話番号の登録: アカウント作成の基本情報となります。
- 本人確認(KYC: Know Your Customer): 氏名、住所、生年月日などの個人情報に加え、運転免許証やパスポートなどの本人確認書類の提出が求められます。これは不正利用防止やマネーロンダリング対策のために義務付けられています。数日から1週間程度かかる場合もあります。
- 二段階認証の設定: アカウントのセキュリティを高めるため、SMS認証や認証アプリを使った二段階認証の設定を強く推奨します。
このアカウント開設を通じて、送金や仮想通貨の保管に使う「ウォレット」がサービス上で準備されます。
ステップ3:日本円を入金する
開設したアカウントに、国際送金に使う資金(日本円)を入金します。一般的な入金方法は以下の通りです。
- 銀行振込: サービスの指定する銀行口座に日本円を振り込みます。
- コンビニ入金: コンビニエンスストアで現金で入金できるサービスもあります。
- クレジットカード・デビットカード: 一部のサービスではカード入金も可能ですが、手数料が高くなる場合があります。
入金が完了すると、サービス上の日本円残高に反映されます。
ステップ4:通貨を交換する(必要に応じて)
日本円で入金した後、送金先の通貨や、ブロックチェーン送金に使う特定の仮想通貨に交換する必要がある場合があります。多くのサービスでは、日本円から直接、送金先の法定通貨(例: 米ドル、ユーロなど)や、送金に利用される仮想通貨(例: XRP、USDCなど)に交換できます。
この際の為替レートやスプレッド(売値と買値の差)も、手数料の一部として考慮する必要があります。サービス上で現在のレートを確認し、納得した上で交換を行いましょう。
ステップ5:送金情報を入力し、実行する
交換した通貨を使って、いよいよ送金を実行します。
- 送金先の指定: 送金先の銀行口座情報(国、銀行名、口座番号、SWIFTコードなど)、またはブロックチェーン上のウォレットアドレスを指定します。サービスの種類によって指定方法が異なります。
- 送金額の入力: 送金したい金額を入力します。
- 手数料の確認: 送金前に最終的な手数料と受取額を確認します。
- 送金実行: 入力内容に間違いがないか慎重に確認し、送金を実行します。多くのサービスでは、セキュリティのため、登録済みのデバイスや二段階認証コードを使った確認が求められます。
ブロックチェーンを使った送金では、送金先ウォレットアドレスの入力ミスに特に注意が必要です。 一度実行した送金は、原則として取り消しができません。間違ったアドレスに送金した場合、資金が失われる可能性があります。
ステップ6:受取側での手続き
送金が完了すると、受取側のウォレットや銀行口座に着金します。
- 仮想通貨での受け取り: 受取側が仮想通貨ウォレットを持っている場合、ウォレットに仮想通貨が着金します。受取側は必要に応じて、その仮想通貨を地元の法定通貨に交換する手続きを行います。
- 法定通貨での受け取り: サービスが受取側の国の銀行口座への直接入金に対応している場合、自動的に法定通貨に両替され、受取側の銀行口座に着金します。
送金が完了した旨を相手に伝え、着金を確認してもらうと良いでしょう。
銀行送金との手続き比較
従来の銀行を通じた国際送金と比べると、ブロックチェーン国際送金の手続きにはいくつかの違いがあります。
| 項目 | 銀行送金 | ブロックチェーン国際送金(サービス利用) | | :------------------- | :------------------------------------------- | :------------------------------------------------- | | 手続きの開始 | 銀行窓口、オンラインバンキング | オンラインの送金サービス(Webサイト、アプリ) | | アカウント開設 | 銀行口座開設(対面またはオンライン) | オンラインでのサービスアカウント開設、本人確認 | | 必要な情報(送金時)| 受取銀行名、支店名、SWIFT/BICコード、口座番号、受取人氏名、住所など | サービスにより異なる(銀行口座情報またはウォレットアドレス) | | 資金移動 | 銀行間のネットワーク(SWIFTなど) | ブロックチェーンネットワーク | | 着金時間 | 数日〜1週間以上かかることも | サービスやブロックチェーンにより数分〜数時間、長くても1-2日程度 | | 手数料 | 送金手数料、コルレス手数料、為替手数料など複雑・高額になりがち | 送金手数料、為替手数料など。銀行より低額な場合が多い | | 操作の簡便さ | オンラインバンキング利用で比較的容易 | オンラインでの操作が基本。アドレス入力ミスに注意 | | 送金情報の正確性 | 銀行員による確認(窓口)、入力フォームでのチェック | 自己責任での入力。アドレス入力ミスは致命的 |
このように、ブロックチェーン国際送金はオンラインでの手続きが基本であり、銀行を介さない分、中間コストが削減され、送金速度も速くなる傾向があります。一方で、特に仮想通貨アドレスを直接指定する場合は、入力ミスのリスクが高まります。
手続きにおける注意点とリスク
手続きは比較的シンプルですが、いくつか注意すべき点があります。
- ウォレットアドレスの確認: 繰り返しになりますが、ブロックチェーン送金で最も重要な注意点です。送金先のアドレスをわずかでも間違えると、資金は回復不能になる可能性が極めて高いです。コピー&ペーストを利用し、複数回確認する習慣をつけましょう。可能であれば、少額でテスト送金を行うのも有効です。
- サービス選びの重要性: 信頼できる、日本の規制に対応したサービスを選ぶことが、詐欺やトラブルを防ぐ上で非常に重要です。運営会社の情報や口コミ、登録番号などを確認しましょう。
- パスワードや秘密鍵の管理: アカウントのパスワードや、サービスによってはウォレットの秘密鍵などを自分で管理する必要があります。これらが漏洩すると、資産を失うリスクがあります。厳重に管理し、二段階認証を必ず設定してください。
- 価格変動リスク(仮想通貨を利用する場合): 送金に特定の仮想通貨を利用する場合、その通貨の価格が変動するリスクがあります。送金指示を出してから相手に着金するまでの間に価格が大きく変動し、想定していた受取額と異なる結果になる可能性があります。
- 規制の変更: ブロックチェーンや仮想通貨に関する規制はまだ発展途上であり、今後変更される可能性があります。利用するサービスの規約や、関連するニュースには注意しておきましょう。
まとめ
ブロックチェーン技術を使った国際送金は、「手続きが複雑そう」というイメージを持たれがちですが、オンラインサービスを利用すれば、従来の銀行送金と比較して多くのメリットを享受しながら、比較的簡単なステップで実行できます。
サービスの選択、アカウント開設、入金、送金情報入力、実行という基本的な流れは、他のオンライン決済と大きく変わりません。特に、オンラインでの手続き完結、迅速な送金、低コストといった点は大きな魅力です。
しかし、ウォレットアドレスの入力ミスによる資金喪失リスクや、価格変動リスク(仮想通貨利用時)など、ブロックチェーンならではの注意点があることも忘れてはいけません。
まずは少額から試してみる、信頼できるサービスを選ぶ、そして送金先情報を徹底的に確認するなど、基本的な注意点を守ることで、ブロックチェーン国際送金を安全かつ便利に活用できるでしょう。
国際送金の手数料や速度にお悩みであれば、ぜひ一度ブロックチェーン送金サービスの手続きを具体的に調べてみることをお勧めします。